• 地域に根ざしよりよい肉をより安く。
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    提携農家ご紹介01

    「静岡するが牛」の生産者を訪ねて
    自然豊かな水見色で育つ牛

    静岡市葵区水見色勝山畜産

    山あいから流れる清らかな水を飲んで育つ牛

    JR静岡駅から北西方面へ車で約30分。藁科川の支流、水見色川沿いをのぼっていくと、中藁科地区・水見色へと到着します。山と茶畑に囲まれ、ホタルが原生するほど自然豊かな環境。山あいから流れる清らかな水を飲み、この地で牛たちはすくすくと育ちます。

    かつては何軒かあった「静岡するが牛」の生産農家は、今は勝山畜産を残すのみ。そして、勝山畜産で育った「静岡するが牛」は、すべて「花城ミートサプライ」へ出荷されます。勝山畜産二代目 勝山佳紀さんにお話を伺いました。

    今から45年ほど前、父 健三さんが水見色でホルスタイン種の牛を飼い始めました。お茶農家が点在する水見色では、当時より牛ふん堆肥用に牛を飼っている農家が多く、次第に肉牛を育てる生産家も増えていきました。

    勝山畜産もそのうちの一軒。25年ほど前には、ホルスタイン種からF1種(黒毛和牛×乳牛の交雑種)へと牛の品種を移行し、佳紀さんがそれを受け継ぎました。現在は佳紀さん夫妻と健三さん、家族全員で肉牛の生産を担っています。

    仔牛から手間ひまかけて見守る

    多くの肉牛生産家は、300kg前後のある程度大きくなった素牛(もとうし)を市場から購入し肥育しますが、勝山さんは自分が目指す牛を育てるために、あえて手間も時間もかかる仔牛から育てています。月2回、市場に足を運び、毛質・顔付き・骨格・血統( F1の中でも和牛に近いもの)を1頭1頭見定め、1か月に10頭程度ずつ購入してきます。

    毎週2頭ずつ出荷していくので、牛舎には常時200頭程度がいます。

    よい肉牛に育てるため、胃にやさしい粉状の飼料、静岡市中心に生産された稲藁(いなわら)を与えています。水見色は、お茶の生産地。飼料にも、お茶がらを配合しているそうです。

    掃除の行きとどいた牛舎で、静岡県産の木くずを足下に敷き、暑い夏は扇風機を回すなど、季節に合わせた環境を整え、ストレスを極力与えないよう、丹念に24か月かけて成育・肥育させます。

    さらに3か月に一度、牛たちの体重を測り、牛舎にその記録を掲示して健康状態に気を配っています。牛は同じように育てても、1頭ずつ健康状態や性質が異なります。毎日、牛たちの顔を見ながら育て上げることが、肉の品質を保つことにつながります。

    肉に霜降りを入れる様に、出荷数ヶ月前からエサの配合を調整します。このタイミングは非常に見極めが難しく、生産者の技量が試されるところです。

    肉牛生産の新しい時代

    以前は、水見色地区にも肉牛生産家がいくつかありましたが、時代の移り変わりとともに1軒、また1軒と数を減らし、今では、静岡市内では勝山畜産だけになってしまいました。

    深刻な後継者不足に加え、仔牛の価格の高騰、牛舎にいる牛たちの足下に必要な木くずや食料となる稲藁が入手しにくくなり、経営を断念する農家が後を絶ちません。

    「幸いにも、私たちは植林が盛んな地域にいるため、材木屋から木くずが調達しやすくなっています。また、稲藁は、稲刈りをトラクターで行わず、昔ながらの方法である手作業で天日干しをする農家さんからしか手に入れる事ができません。トラクターでの刈り取りでは、稲藁は粉状になってしまうからです。今は、静岡市葵区を中心に、一部を藤枝市から、農家さんのご厚意でわけてもらっています。代わりに私たちは、稲作・畑作に必要な牛ふん堆肥を提供するなど、農家さんとは共存共栄関係にあります。農業も肉牛生産も、一緒にやっていかなければ、本来は成り立ちにくいのです。

    まわりの方々の支えがあって素晴らしい牛肉をつくってこれました。自分が静岡の畜産のリーダーの1人だという誇りを持って、新しい時代に向けてこれからもおいしい牛肉を作っていきたいと思っています。」